こんにちは。
ヒゲダルマです。
とある案件の手順確認兼ねてAcronis Backup 12でV2Vしてみました。
今回はVMware ESXi 5.1環境で稼働中の仮想マシンをWindows Server 2016のHyper-V上へV2V移行しました。
移行の大まかな流れは以下の通りです。
- 移行対象の仮想マシンにAcronis Backupのエージェントをインストール
- 移行対象の仮想マシンをAcronis Backupでバックアップ
- 移行対象の仮想マシンをHyper-Vホスト上にリストア
と言うわけで、とりあえず、V2V手順をザックリまとめましたので、以下、眺めていきたいと思います。
1.先ず、移行元環境の確認です。
移行元ホスト:172.23.23.51(VMware ESXi 5.1)
移行対象仮想マシン:172.23.23.235 Win2k12R2-SVR(Windows Server 2012R2)
2.Acronis Backupの管理コンソールで【追加】をクリックします。
3.移行対象の仮想マシンはWindows Server 2012 R2なのでデバイスの追加では【Windows】をクリックします。
4.移行対象の仮想マシンのIPアドレスと管理者アカウント/パスワードを入力し、【追加】をクリックします。
5.Acronis Backupのエージェントがインストールされますので、暫し待ちます。
6.エージェントインストールが完了しました。
今回エージェントはリモートインストールしましたが、リモートインストールが失敗する場合には、Acronis Backupのセットアッププログラムを仮想マシン上で起動して、ローカルインストールしてみても良いと思います。
リモートインストールが失敗する要因としてはWindowsファイヤーウォールやUAC(ユーザーアカウント制御)の設定等があろうかと思います。
7.管理コンソール上に移行対象の仮想マシンWin2k12R2-SVRが追加されていることを確認したら、赤枠のボタンをクリックします。
8.バックアップの設定をします。
V2Vの為だけでのバックアップなので、余り深く考える必要は有りません。
アプリケーションバックアップの設定は移行対象の仮想マシンに応じて、はい/いいえで設定します。バックアップ時のスナップショット処理に影響しますので、該当するアプリケーションがあれば必ず【はい】にしましょう。
バックアップ先は移行対象の仮想マシンと移行先のHyper-Vホストからアクセス可能な場所を指定します。適当なネットワークフォルダ(共有)が良いでしょう。
今回はHyper-Vホスト上の管理共有内のフォルダを指定しました。
ネットワークフォルダを指定した場合には、アクセスに必要な資格情報を要求されますので、適宜、【アカウント/パスワード】を入力します。
スケジュールは今回は即時実行したかったので、【オフ】にしました。
V2V用のバックアップなのでクリーンアップの設定はどうでも良いです。とりあえず今回は【バックアップを無期限に保存する】にしました。
以上でV2V用のバックアップ設定が終わりましたので、【適用】をクリックします。
10.バックアップが始まりました。暫し待ちます。
バックアップ処理中も移行対象の仮想マシンはオンラインとなり使用可能ですが、実際にV2Vするケースでは移行対象の仮想マシンの利用は禁止/停止し、完全な静止点がバックアップされるよう配慮する必要があるでしょう。
11.バックアップが完了しました。V2Vも折り返し地点です。
12.管理コンソール上で移行対象の仮想マシンWin2k12R2-SVRの【復元】をクリックします。
14.【ターゲットホスト】としてV2V先のHyper-Vホストを指定し、【コンピューター名】にV2Vする仮想マシン名をを入力し、【OK】をクリックします。
15.パスとVM設定はデフォルトのまま、電源の状態は【オフ】として、【今すぐ実行】をクリックします。
パスについてはHyper-Vマネージャーで設定されている既定値を引っ張ってきてくれますので、そちらの設定が正しければ、特にここで設定変更しなくても良いでしょう。
VM設定についてはメモリ容量とNICの設定(仮想スイッチへの紐付け)が行えます。NICが複数枚の場合にもここで設定可能です。ただ、CPU含めたその他の設定は出来ませんので、後からHyper-Vマネージャー上で詳細に設定する方が良さそうな気もします。
また、今回、このタイミングではVMware ESXi上の仮想マシンが未だオンラインでしたので、IPアドレスやホスト名のコンフリクトを避けるため、電源の状態はオフにしておきました。
16.Hyper-Vホスト上への仮想マシンの復元(V2V)が始まりました。暫し待ちます。
18.Hyper-Vマネージャーで結果を見てみます。Win2k12R2-SVRが電源オフで存在しています。
19.Hyper-Vマネージャー上でWin2k12R2-SVRを起動してみます。初回起動はデバイスの再設定などが走るため、起動に暫く時間を要します。
20.起動しました。いきなりシャットダウン イベントの追跡ツールが起動してきますが、ホットイメージを取得し復元した為(正常シャットダウンのフラグが無い)なので、異常でも不具合でも有りません。気にせず、適当にコメント入れて【OK】をクリックします。
ちなみに、先ほど復元の設定でNICの設定をスキップした為、右下赤枠の通り、ネットワークがオフラインとなっています。
とりあえず、V2VしたHyper-Vホスト上の仮想マシンも無事に起動しましたので、このタイミングでVMware ESXi上の仮想マシンをオフライン/シャットダウンします。
21.Hyper-Vマネージャーで仮想マシンの設定を開き、仮想スイッチとしてvSwitchを設定します。合わせて、CPUやその他仮想マシンの詳細設定もこのタイミングで行うと良いでしょう。
補足.V2V後のサービスの状態です。元々VMware ESXiホストで動作していた仮想マシンなので、VMTools関連のサービスが無効化はされていますが残ったままになります。気になるようならアンインストールしましょう。
思った以上に簡単かつスムーズにV2Vしてしまった印象ですが、実稼働環境で本番移行を行う場合には、必ずリハーサルを実施する必要があると思います。
前述の通り、移行元バックアップはオンラインで行えますし、移行先で復元する際もネットワークさえ繋がなければ移行元をオフラインにしなくても大丈夫です。
よって、リハーサルだけならシステム停止をしなくてもV2V出来ますので、先ずはリハーサルで以下の点を確認してから本番に臨むのが良かろうかと。
- バックアップ/復元の所要時間(≒本番移行時のシステム停止時間)
- 移行後の仮想マシン上で不要なサービス等の確認と対応手順の確認
- 復元後、仮想マシンの正常動作の確認
以上、駄文散文ではございましたが、ご拝読ありがとうございました。
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