WIRED Conference 2016 FUTURE DAYS

こんにちは。

ヒゲダルマです。

大変ご無沙汰しております。

仕事が多忙を言い訳に、ブログ執筆サボっておりました。。。

改めて、ボチボチ書こうと思いますので、読んで頂けますと幸いです。

さて、唐突ですが、先日、WIRED Conference 2016 FUTURE DAYSというイベントに出席してきました。

イベントのサブタイトルは「未来は『オルタナティヴ』でなければならない」で、要は未来は今とは変わっていて欲しいし、じゃあどう変わっているのだろうか?というような話を伺ってきました。

ITエンジニア向けの技術セミナーに良くある「その技術で何が出来るか」では無く、「こんな未来になっていて欲しいし、その為に、こんな技術が必要よね」と言ったノリのセミナーでした。

聴講したSessionタイトルと講演者は以下の通りです。

Session01

ご挨拶/FUTURE DAYSに寄せて

若林恵

Session02

分散レッジャーは新しい地球のOSをかたちづくるか

斉藤賢爾(慶應大学SFC)

Session03

会社よさらば:脱中央型自立組織・論

ジャック・デュ・ローズ(COLONY)

Session04

地方創生・農業・ブロックチェーン

森田浩史(イノラボ)

Session05

「第2局・黒37手」とは、なんだったのか?

マイケル・レドモンド(囲碁九段) × 石川善樹(予防医学者)

Session06

「AI。腸、免疫系としての」

北野宏明(Sony Computer Science Laboratories) +安宅和人(Yahoo! JAPAN)

Session07

「音・声・世界」

川原繁人(慶応大学 言語文化研究所)

Session08

「西周と知の新しい地図」

山本貴光 ×ドミニク・チェン

Session09

「エクスポネンシャル・オア・ダイ」

佐宗邦威+ジョバン・レボレド

Session10

「スパコンがコピー機サイズになる日」

齊藤元章

Session11

総括/「次は、2029年だ」

松田卓也

直接的に仕事に役立つセミナーではありませんでしたが、内容は多岐に渡り、情報量が多く、 とにかく面白く、気づきも多い、濃厚なセミナーでしたので、特に印象に残った話についてレポートしたいと思います。

先ず、Conferenceは雑誌『WIRED』編集長 若林さんの挨拶でスタートしました。

実を言うと、元々雑誌『WIRED』のファンではあるのですが、若林さんが毎回『WIRED』の冒頭に書く文章も結構好きで、個人的にファンだったりして、それも有って、この人が企画しているConferenceなら出てみたいと思い、今回イベントに出席した次第です。

そういう意味では大正解で、講演者と講演内容をチョイスをした若林さんの編集者としてのセンスは秀逸だったと思います。

で、「Session02 分散レッジャーは新しい地球のOSをかたちづくるか」なんていう概念的なお話しへと突入したのですが、難しい!

分散レッジャー(≒分散型台帳)が地球規模のOS(インフラ)の一部を構成し得るか?というテーマでした。

講演者の斉藤賢爾さんは2000年からP2Pやデジタル通貨の研究をされてきた方です。(そういう意味では概念的にはBitCoinの出現以前から、デジタル通貨の可能性を説いていたことになります。)

ちなみに、ブロックチェーンとは・・・

「自分が持っているお金をいつでも自分の好きに送金することを誰にも止めさせない」

「空中に約束を固定したい」(それが出来れば、「自分が~」が実現する。)

ということから始まっているそうですが、現時点のブロックチェーンは不完全な解であり、今は未だ実験段階に過ぎない、とのこと。

じゃあ、「空中約束固定装置のある暮らし」が実現するにはということで、以下のような地球規模のOSという概念についてお話しされておられました。

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概念中心で短いセッションだったので、空中約束固定装置の理解までは難しかったですが、空中約束固定装置の登場(それが地球規模のOSをバージョンアップする)を興味深く見守っていきたいと思いました。

続けて、ブロックチェーン繋がりで、「Session03 会社よさらば:脱中央型自立組織・論」というお話しでした。

講演者のジャックは元は超高級宝飾品のデザイナーだったそうですが、今は分散型組織の専門家です。

彼は宝飾デザイナーをしていた当時にブロックチェーン(BitCoin)に出会い、その概念に感銘を受け、ブロックチェーンで新しいビジネスを起こせないか(BitCoinで一儲け出来ないか)と考えていたそうですが、ブロックチェーンを使えば従来型組織構造を変えられるのではないか?ということに気づき、分散型組織の研究・確立に転身されたとのことです。そして、今はCOLONYという活動をプロデュースされています。

彼のセッションは、従来型組織(ヒエラルキー型組織)や水平型組織(ボランティア団体などに見られる )が抱える問題点を説明し、分散型組織がそれらをどのように解決するのかという内容でした。

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分散型組織が具体的にどのように構築されていくのか?という点はイマイチイメージ出来ませんでしたが。Session2でも触れられた空中約束固定装置の登場が分散型組織にも求められているのだろうなとボンヤリ思いました。

さらにブロックチェーン繋がりで、「Session04 地方創生・農業・ブロックチェーン」というお話しだったのですが、こちらは前述の2Sessionと異なり、既にブロックチェーンを用いて実践されているプロジェクトのご紹介でした。

講演者の森田さんが代表を務めるイノラボは電通国際情報サービス(ISID)が2011に立ち上げた研究所です。

イノベーションを具体的に実践することを大切にされており、先端技術の実証実験を数多く手掛けられているそうです。

今回、事例紹介されていたのは宮崎県の綾町というユネスコのエコパークにも認定されている自然豊かな町でのプロジェクトでした。

綾町は自然との共生をテーマに町全体で有機農法にも取り組んでおられるそうです

しかし、有機農法はコストが高く、価格競争力的に厳しいというのが現状だそうで、イノラボはそこに注目。ブロックチェーンを活用し土壌、農産物、生産者、流通等を情報管理することでコスト削減に繋げられないか?ということで「Internet of Value Blockchain」なるプロジェクトを立上げられているそうです。

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綾町の町長さんもサプライズで登場し、農産品をご紹介されておられましたが、地方の活性化にブロックチェーンを始めとするITイノベーションが活用されたら素晴らしいなと思いつつ、ブロックチェーンはBitCoinだけでは無いよねと改めて感じた次第。

ここまでブロックチェーンを中心としたSessionでしたが、

Session05「第2局・黒37手」とは、なんだったのか?

Session06「AI。腸、免疫系としての」

と、2つ続けて人工知能絡みのお話しでした。

Session05のタイトル「第2局・第37手」というのは今年3月に行われた人工知能・AlphaGoと棋士イ・セドルとの歴史的決戦となる対局中に「AlphaGoは人間の想像の限界を超えた」と言わしめた一手だそうです。

Sessionではその第2局・第37手までの対局を再現しつつ、マイケルが囲碁を説明しつつ、Sessionが進むという非常に面白い内容でした。

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純粋に楽しんでしまいました。。。

Session06「AI。腸、免疫系としての」はメッチャ頭の良い科学者2名のディスカッションだったので、話があっちこっち飛んで、とても熱かったです。

要約すると現在の人工知能研究は“脳”をモデルすることばかりにフォーカスされるので、人工知能を腸や免疫系に適用したらどうなるのかね?というテーマのディスカッションでした。

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安宅 さんの「先ず生命が有って、その生命の生存率を高める為に知能が発展した。よって、知能の為に生命がある訳ではないと考えると、もっと脳よりも腸や免疫系に注目しても良いのでは?」「”脳”のような高次機能な知能の研究開発だけで無く、神経や免疫系の人工知能の研究開発がもっとあっても良いと思う。」「腹落ちするとか、腹で考えるとか言う言葉があるように、考えるのは”脳”だけではないのでは 」というお話しは目から鱗でした。

同様に、北野さんの「脳を食わせるために腸がある訳ではないし、東京を食わせる為に地方がある訳ではなく、地方には地方独自の活動が有るのに、東京に一極集中し中央集権的なのはどうなのよ」というお話しも納得でした。

と、ここまで書いたところで、少々息切れしましたので、続きはまた気が向いたときに書かせて頂きます。

以上、駄文散文ではございましたが、ご拝読ありがとうございました。

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